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Special特集

COLUMN - 「うみ・やまの湊から生まれる祭りと芸能と工藝と」 -

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港区という区名の由来をご存知ですか?
明治11(1878)年に、芝・麻布・赤坂の三区が誕生。
昭和23(1947)年、この三区統合をきっかけに「わが国の今後の発展は貿易の振興にあるが、その素材とも言い得る東京港を区内に有している」との説明から「東港区」が有力候補となったが、東京都東港区では疑似音が重なり呼びにくいということから、「港区」に!(出典「港区史上巻」昭和35年3月15日発行)

島国である日本は、どの時代にも港を通じて様々な国と交流をしてきました。

左:日本三大祭りの祇園祭、右:日本三大祭りの祇園祭


千年以上の歴史のある祇園祭の山鉾の一つ、京都市下京区の函谷鉾(かんこぼこ)の前掛=16世紀ベルギー製のタペストリー(毛綴)には、旧約聖書の創世記24章に記されている「イサクの結婚」の物語が描かれています。
江戸時代にオランダの商館長が、平戸藩を通じて三代将軍徳川家光へ献上したもので、祇園祭の始まる前に偶然京都に立ち寄り会所にて実物を見る機会に恵まれました。その前掛と同様に素晴らしい天幕が、港区赤坂にも残されています。それは東京23区内で唯一見ることのできる動く八代将軍吉宗公の産土神であった赤坂氷川祭の町会山車の天幕です。秋の大例祭では雅楽を奏で、神さまの依代として練り歩く山車では茜囃子の音色が赤坂の街に響き渡ります。
祭りとは日本文化を伝える伝統芸能と工藝の美の集大成なのです。

左:越中八尾おわら節、中:出雲に出かけた神様のお帰りを饗す、右:竹と藍のインスタレーション


五穀豊穣を願う祭りからも、芸能文化は生まれています。
越中八尾 おわら風の盆は、元禄の頃に生まれた五穀豊穣の囃し歌で、大正ロマンの自由な気風溢れる時代に新たな唄や踊りの改良が加わり、多くの文化人に愛され大人気となった富山のお祭りです。
「おわら」については「おわらひ(大笑い)」という言葉とか、豊年万作を祈念した「おおわら(大藁)」からなど諸説あるようですが、二百十日の前後台風到来の時節、昔から収穫前の稲が風の被害に遭わないよう、豊作祈願が行われてきた祭りを「風の盆」と呼ぶ祭りに変化し、9月1日から3日に行うようになったと言われます。(越中八尾 おわら風の盆HPより)
また秋の実りを収穫したのち、旧暦10月の11月30日に行われる香取神宮の「大饗祭」(だいきょうさい)という神事を聞いたことはありますか?
十月は旧暦名では神無月(かんなづき)ですが、全国の神さまが出雲に集まって一年の事を話し合うため、各地の神さまがいなくなるからというのが定説です。
しかし唯一出雲に行かない神さまがいます。それは香取神宮の神さまのこと。
東国の神さまが不在になるため留守役として残り、旅疲れの神さまを饗す神事が「大饗祭」で、東国三十三国の神々を招いての饗応の祭りを行っています。
この日の香取神宮の神饌は、地域の風土とされる特別なご馳走が用意されます。水郷特産のマコモで組んだ巻行器(まきほかい)、水郷に群れる雌雄一対の鴨をさばき、内臓を取り出し、再び羽根を広げたように三方に飾りあげた羽盛、鮭、フカの切り身を組み合わせ、三方の上に高く盛りつけた鮭の鳥羽盛などが神饌殿に並ぶのです。(香取神宮HPより)

海・山の豊かな自然に囲まれた日本の風土。湊(みなと)とは、海・川・湖などの水の出入り口。その湊では、様々な文化が行き交い、伝統芸能や工藝品の技術が磨かれ、海山の魅力がコラボレーションすることで、また新たな文化が育まれます。全国のどの山にもある竹林が今荒れ果てており、かつて日本の暮らしに欠かせなかった竹を活かしきれていません。草花の命をいただく草木染めは、その自然の色を生き生きと輝かせ、私たちの暮らしに美しい色合いを伝えてくれます。
今再び私たちは、日本の美意識を海・山の湊から学びなおしたいと感じるのです。


石山 恒子

(文)
石山 恒子(いしやま つねこ)

プロフィール
「暮らしいろは」主宰 風土意匠伝承士
株式会社乃村工藝社・デザインコミュニケーショングッズにて、ブランド開発・企画デザイン、新規事業PJに参加。 ティーエフエムインタラクティブ株式会社にてメディアミックス企画&PR・編成・番組制作を担当。
独立後、「観光まちづくり」をテーマに、地域のイベント企画、タウン情報誌の企画&運営に従事。
地域の魅力を発掘と文化継承にこだわりながら、行政・寺社仏閣・地域商店会などのつなぎ役として、企画の継続運営を目指す。
情報誌KASUMI STYLE 「リエゾン」ちょこっと・霞・歴史さんぽを担当
NPOの理事を務めながら、風土意匠伝承士「暮らしいろは」ブランドを主宰
・明治記念館のプライベートブランド「菓乃実の杜」ブランド開発:ネーミング担当。
・NPO法人江戸前21 理事・事務局長 歳時記イベント企画・運営
・「夏詣」イベント企画・運営・PR
・江戸前21本舗 有限責任事業組合「暮らしいろは」ブランド主宰 
・アートPJ:まちなか「アート」体験 「民藝」をテーマに企画立案



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