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【舞台の柱】

頭痛、肩こり、樋口一葉

井上ひさしの「頭痛、肩こり、樋口一葉」の舞台には、四つの柱がたっています。その四つの柱で仏壇のある貸家の一室を表現し、毎年お盆に現れる幽霊と、そこで繰り広げられる女たちの人間模様を切なく笑いをまじえて表現しています。四つの柱は空間を表すだけでなく、演じる女優さんとからんで、重要な役割も果たしていました。
一方、能舞台でも、柱は重要な役目を担っています。能舞台の左手に立っている柱は、「目付柱」とも言われ、シテが舞うときの目印とも言われています。

様々な舞台で、柱は重要な役割を果たしていますが、日本では単に建物の一部としてだけではなく、神の象徴でもあります。諏訪大社の御柱や大黒柱などは神を表しています。天と地を稲妻がはしり、それを見た古代の人々が、柱を神の象徴として畏怖を感じるようになったのでしょうか。神様をひと柱(はしら)、ふた柱と数えるのもそれが理由です。
イラストは毎年お盆に現れる、人が良くて、ちょっと可愛い女の幽霊「花蛍」と、その幽霊と仲良しになって、最後には同じように幽霊になってしまう、樋口一葉を描きました。
井上ひさしの舞台で、幽霊を演じる女優さんを観ながら、何故か神社で舞う巫女さんを想像しました。舞台とは、古代から、日本人が仏や神を感じる空間の一つだったのかも知れません。

参考:こまつ座公演、井上ひさし作「頭痛、肩こり、樋口一葉」から